「好きです!」
体育館裏に響く他の女子より少し低い私の声。
今私は、同じ野球部の工藤に告白しています。
これが初恋、実るといいな。
「ごめん....タイプじゃない。」
でも、私の期待を裏切るような返事がすぐに返ってきた。

失恋しちゃった。
仕方ないよね、私みたいながさつな女子より可愛い子なんていっぱいいるもんね。
私はずっと男兄弟にかこまれて育ってきた。部活も男子に混じって野球という可愛いげのないスポーツをやってきた。
今更ながらも手入れの行き届いていない髪の毛を見て涙が出てくる。
今日は中学校の卒業式
高校は工藤と別々でよかった、心からそう思った。


春からは高校生。
男みたいな私は、一生リア充になれないかもしれない。