ロンドはわたしの言葉に返事はせず

ずっと空を見ていた。


「…ロンド」

「ハイ?」

「あなた、わたしと友達になってくれるって…
言ったよね?」


ロンドは深く頷いた。

「じゃあ…わたしと一緒にいてくれる?」


ロンドは、にっこりと微笑み

また深く頷いた。


「あっ」

誰かの声がして

わたしは慌てて振り向いた。


「こんなとこにいたのか、日野。
今日、お前日直だろ?
日誌、頼むな」


後ろにいたのは、担任の先生だった。


まだ若くて、生徒から人気のある先生。

わたしは苦手だった。


「…はい」

わたしが返事をすると、先生はニコリと笑い、ロンドの横を素通りした。


「えっ!?」

先生はロンドを無視…てゆうか、全く気付いてないようだった。


「あなた、他の人には見えないの?」

「選ばれたヒトしか見えナイ」



そう言うと、ロンドは指揮者のように人差し指を軽く振った。


すると校庭を歩いていた先生が、派手に倒けた。



「あのヒト、キライ」