「怒ってないよ…葵さんは」





私がそう言うと



「どうして…?俺が、俺が守ってれば葵は死ななくてすんだんだよ!?怒るに決まってる!」





「葵さんの気持ちが私には分かるの!愛してる人を死なせたくないって!!自分が死ぬ気で守りたいって気持ち…」




「…?」





「飛真だって、葵さんを死んでも守るって思うでしょ?葵さんだって、飛真を死んでも守りたかったんじゃないの?もし、もし…私も、遥斗が死にそうだったら助ける。それが死ぬことでも!」





「でも、守ってから後悔してたかもしれない」





「そうな訳ないよ…。守れて嬉しかったと思うよ?守れなかった方がよっぽど悔しいし、後悔が残る…」





「…」




「葵さんの気持ちを…飛真は受け取れないの?死ぬ気で守った飛真が、自分を責めてるって知ったら、葵さん悲しむよ?」




「ぁ…」




「飛真に出来るとこは、笑うことじゃないの?いつも、辛そうにしてたら…葵さんは自分を責めることになるよ?私が助けたから飛真が笑えなくなっちゃったって。」





「え…」