出されたウエディングドレスを目の前に、泣き出しそうな顔で色々言い出す立花。
演劇部に借りようと言う提案や、レンタルショップを使おうと言う提案を出してきたが、どちらも却下だ。

まず演劇部は明日演目があって忙しい。
突然行って、衣装を快く貸してくれるとも思えないし、そもそもコンテストに着ていける衣装があるとは限らない。
レンタルショップは、単に高い。

「目の前にあるそれを着ればいいじゃない?」

きっとお似合いよ~、とおばさんは笑っている。

俺の両親から何か借りて……とも一瞬思ったが、やめておこう。
お祭り騒ぎの大好きな家族だ、勝手に張り切って大騒ぎになるに決まっている。