「ごめんなさいね、瀬田君。
 どうもずれているというか、マイペースな子で」

「いえいえ、毎日隣で楽しいです!
 あ、ケーキ、凄く美味しいです!

マイペースな娘と、意思疎通出来てる?
との問いに、出来てます、とは言い難いので濁して伝えたところで。

「意思疎通くらいできるよ?
ねぇ瀬田?」

隣の彼女から、意外な一言が放たれた。

ほぉ、お前は出来てるつもりなのか。
俺の言いたいことが分かってるって言うのか。

到底そうは思えないな、と俺が思ったところで、おばさんと目が合った。
困ったように笑っている。