「お、いいね。行こうかバカ美空。
おばさんにも暫く会ってないし」

「なんでまたバカって言うの?!
そんなこと言う瀬田なんて、一生バカ優斗よ?!」

いいの?!
と真顔で詰め寄られた。

いやいや、お前な?
意味を分かってないにしても、結構今凄いこと言ったぞ?

一生、な。一生。

俺は笑いが堪えられなくなっていた。
クッソ、バカ可愛い!

「うんうん、問題ない!
いいよ? 一生そう呼んでくれて」

よし、彼女が望むなら喜んで。
一生一緒にいる計画でも立てるか。

「あの二人、本当に付き合ってないの?」

「恋人と言うか、夫婦じゃね?」

教室を並んで出る俺たちの後ろから、そんな声が聞こえる。
隣を見たところで、何も考えずに鼻歌を口ずさんでいる彼女がいる。