「ん」

むっとこちらを睨む美空に、チョコケーキを差し出した。
睨んでも可愛いんだから、どうしようもない、ああ、可愛いヤツ。

「チョコも、いいね」

俺はニヤニヤと、幸せそうにケーキを食べる美空を眺める。
俺の、可愛い彼女。
ああ、今、幸せだ。

「バカップル」

「立花ちゃん、かわいいなぁ……!」

「おい瀬田、ずりぃ!」

チョコケーキを頬張る美空を、クラスメイトはニコニコと、そして顔を赤らめて見る。
おいこらそんな目で見るのはやめろ、俺の美空だぞ?

「あ、バカ美空、口元にケーキがついてんぞ?」

「あ、やだ、どこ?」