舞台上で硬直してしまった美空を連れて、舞台袖に戻る。

「ほら、座って」

椅子にそっと座らせると、ありがとう、あたしに舞台は難しいことだね、と、か細い声が聞こえた。

俯く顔は驚く程赤くて、どれだけ無理したのかがわかった。
ノリだったとは言え、このコンテスト参加も、俺の意見が有無を言わさず通ったようなものだったし。
お化け屋敷の件も、悪かったし……。
知ってたよ、こういうのよっぽど苦手だってこと。
意地悪過ぎたかな。