教室前に戻ると、さっきより行列が長くなっていた。
ああ、これが立花美空人気ってやつか……。
あの天然鈍感娘の人気ぶりに、呆れを超えて笑えた。

「あ、瀬田!」

受付に戻ると、高橋と中川が忙しそうに受付をこなしていた。

「高橋、急に悪かったな」

「いいって、じゃ,俺、持ち場に戻るから!」

戻ろうとした高橋が、ふと振り向いた。

「瀬田、顔紅いぞ?」

なっ?!

さっきの出来事を思い出して、更に顔が火照る。
高橋は笑いながら去っていった。