かがんで頬を寄せたところで、何度はシャッターが押された音がした。

「近いよ瀬田!」

なるほど、頬を寄せれば、さすがに顔が近いとわかるのか。
いつも結構、近いんだけど。

「あらぁ、いいわ!
いいの撮れた! 後で瀬田君の携帯に送るね!」

年齢を感じさせない無邪気な笑顔で、俺に指でオッケーサインを出すおばさん。
ちなみにこないだ「何かあったときのために」と、携帯番号は交換済みだ。

「ナイスです!」

俺もオッケーサインを返す。