仮にも娘の花嫁衣装に感極まったのか。
それとも自分達の時の事を思い出したのか。

おばさんは本番さながらに、ハンカチを目尻に当てている。

「お母さん、あたしまだお嫁にはいかないよ?」

「な? まだ早いもんな?」

な? 
と、肩を抱けば、
なんで? とでも言いたげな顔をされる。

「並んでならんで~」

おばさんはデジカメを構えている。

「は~い、撮るわよ~」

ほら、カメラ向いて、と指差せば、素直にそちらに向く立花。