俺の声に気づいて、立花がこちらに顔を向けた。
困ったように見上げる顔は、ほんのりと紅い。

「あらぁ!
美空も瀬田君も、ぴったりね! よかったぁ!」

結婚式でおばさん達が着たというドレス。
大事な物なんだろうに、あっさり文化祭の衣装として貸してくれるのか。
本当にいいのかな、とも思ったけど、おばさんが嬉しそうだから、黙っていることにした。