シャツの上からタキシードを羽織って、タイを締める。
パンツの丈もタキシードの肩幅も、誂えたようにぴったりだった。

俺はよく細身で長身だ、と言われるけれど、おじさんもそうだったのかな。
じゃあ立花が小さいのはおばさん似だな、おばさん、小柄だし。

部屋を出ると、そこには鏡で自身をチェックする立花がいた。

「ふぅん?
似合うんじゃないの?」

冷静を装って言ってみるけど。
正直、似合うなんて言葉じゃ足りない程、似合っている。
綺麗な絵画を眺めている気分だ。