その言葉に、あたしは目を見開いた。


叶さんがお兄ちゃんを……!?


「それなのに、虹色はこんなバカな妹のことばっかりで、俺には目もくれない。俺はいつまでも虹色の友達以上にはなれない」


そう言いながら、髪を引っ張る手に力が込められる。


その痛みにうめき声をあげ、もがくあたし。


しかし、叶さんは力を緩める事はなかった。


「虹色がお前への気持ちが限界だと言った時、俺はこの計画を思いついたんだ。


颯の部屋とそっくりな部屋を作り、希彩ちゃんにそっくりな子を連れ込んで殺してしまえ。


その映像を見れば、きっと純白ちゃんは颯と別れる決意をする。そう言ってね」


今までわからなかった事がどんどん明らかになって行く。


「それなのに、お前はどこまでもバカな女だな。希彩ちゃんを事故に合わせてあげく殺し損ねるなんて、大笑いだ」


叶さんも、お兄ちゃんも、なにもかも知っていたんだ。


あたしは1人、もがいていただけ。


途端におかしくなって笑みがこぼれた。


耐えられなくて、声を上げて大笑いするあたし。