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「今夜がヤマか……」


家に帰り、お風呂にはいりながらあたしは呟く。


希彩ちゃんは今どんな状況なんだろうか?


手術室から出て来た希彩ちゃんはいろんな管に繋がれ、頭には包帯が巻かれていた。


事故の時、頭を強く打ったのかもしれない。


「死ぬよね、きっと……」


あたしは自分の手を見つめた。


希彩ちゃんの背中を押した時の感触が、今でもしっかりと残っている。


あたしはその感覚を振り払うように、湯船に深くつかったのだった。