その日の昼休み。

私は財布を手に持つと、会社近くのコンビニへと足を向かわせていた。

「芽衣子」

その声に視線を向けると、
「新一…」

新一が目の前にいた。

「えっ、何で…?」

今の時間は仕事のはずだ。

どうしてここにいて、そのうえ私の目の前にいるのだろう?

訳がわからなくて戸惑っている私に、
「近くで営業があったからついでに会いにきたんだ」

そう言った新一に、彼の職業が保険会社の営業マンだったことを思い出した。

「そ、そう…ご苦労様」

私は返事をした後、新一の前から立ち去ろうとした。