「うわあっ!?」

杉下くんの悲鳴に、私は飛び起きた。

何事かと思いながらパジャマのうえにカーディガンを羽織って部屋を出ると、杉下くんはドアの前に立っていた。

「どうしたの?」

声をかけた私に、
「これ…」

杉下くんは青い顔で郵便受けを指差した。

そこに視線を向けると、
「何よ、これ…」

私は絶句した。

地面に落ちていたのは髪の毛だった。

「新聞を取ろうとしたら、中から髪の毛がバサーッって出てきたんだ」

杉下くんは青い顔で地面に落ちている髪の毛を見つめた。

「何なんだよ、これ…。

イタズラにしろ何にしろ、怖過ぎるだろ…」

杉下くんは髪の毛を見たくないと言うように目をそらした。