家に帰ると、すでに灯りがついていた。

杉下くんが先に家に帰っていたようだった。

リビングに足を踏み入れると、
「おかえり」

料理をしながら杉下くんが声をかけてきた。

「ただいま…」

私は答えた。

「どこか寄り道してたのか?

俺よりも先に会社を出たのに家に帰っていなかったから驚いたぞ」

そう言った杉下くんに、
「うん、ちょっとね…」

私は呟くように答えた。

駅前で新一につかまって、彼から復縁を言い渡されていたことを言える訳がないと思った。

そう思っていたら、
「何かあったのか?

今日、おかしいぞ?」

杉下くんが心配そうに首を傾げた。