特に何もないまま、週明けを迎えた。

新一から電話がくることは２度となかった。

やっぱり、何かの間違いだったようだ。

杉下くんが作ってくれた朝ご飯を食べ終えると、
「じゃあ、先に会社へ行っててくれ」

「遅刻しないように気をつけてね」

後片づけをしている杉下くんに返事をすると、私は家を後にした。

駅へと向かっている人々の様子がどこかダルそうに見えるのは、やはり週明けだからかも知れない。

楽しかった週末が終わると、人々は自然とため息をつきたくなるくらいに憂うつな気分になる。

今週末は服を買いに出かけるかと思いながら駅へと向かっていたら、
「――芽衣子！」

私の名前を呼ぶ声が聞こえた。