「芽衣子さん」

おばあさんが私の名前を呼んだので、
「はい」

私は返事をした。

「今はつらい時期かも知れないけれど、あの子のことをちゃんと待ってあげてね」

「はい」

「和泉はちゃんと考えて、あなたに返事を出すと思うわ。

たとえその返事があなたが思っていたものと違うものだったとしても、ちゃんと和泉の気持ちを受け入れてあげなさいね」

「はい、わかりました」

私は頭を下げた。

「おばあさん、ありがとうございました」

お礼を言った私に、
「また話を聞かせてね」

そう言って、おばあさんは微笑んでくれたのだった。

話をしてよかった。

打ち明けてよかった。

おばあさんに話を聞いてもらって、アドバイスをしてもらったことで私に自信がついた。