「そう…。

お父さんに会ったのね」

理由を話し終えると、おばあさんが言った。

「先日彼のお父さんが亡くなったと言う連絡があって、それで和泉さんは名古屋の方へと…」

そう言った私に、
「芽衣子さんはどうして一緒に行かなかったの?」

おばあさんが聞いてきた。

チクリと、私の胸が痛んだ。

「最後の時間は、2人で過ごした方がいいかなって思ったんです…。

その方が和泉さんも…」

そう言った後、私は笑った。

今言った言葉はほとんどウソだと言っても過言ではなかった。

一緒に行けることができるなら一緒に行きたかった。