シュンが何言ってたか忘れたって言ってたことって、このことか……。



「さぁ。うちに行きましょうか」

「……え?」



お母さんはシュンを抱え、シュンの家の方に歩き出した。



「このまま外にいたら狼になったままでしょ?元に戻ってもらわないとね」



お母さんは軽々とシュンを持ち上げている。



どこにそんな体力があるのかな。



「……あ、あともう一つ言わないといけないことがあった」



お母さんは思い出したように拳を手のひらにポンッと叩いた。



「満月を一回見ちゃうとその後の一週間ぐらいは、狼になる可能性があるから気を付けてくれない?」



あたしは血の気が引いたような気がした。



これから一週間シュンがさっきのエロS狼男になるかもしれない?

そんなの耐えられるわけ無いよ。



つか、お母さん本当に筋力ありすぎだから。

なんでそんなに軽々とシュンを持ち上げられるの?



あたしが抵抗した時はまったくビクともしなかったのに

シュンのお母さんときたらヒョイッとシュンを軽々持ち上げた。



.