「あーあ... 顔痛い。」



やっと司から解放された私は、中学校の校門まで来ている。


司のやつ、乙女の顔になんてことを。


跡ついちゃってんじゃないの?



でもまさか、私が着ているTシャツが司のだったとは思いもしなかったな。


よく見たら、こんなTシャツは持ってない。


がんばって背中の文字を見てみると



『絶対、勝つ!!!』


と書いてあった。


今の私は、惨敗気分だ。



「今日は、ツイてないなぁ...」









「あれ? 翼??」


ん?? どこからか聞きなれた声が。幻聴?


なんだか私の沈みきった心を明るくしてくれた気がした。


声の方に向いてみると、なんとそこには




――翠ちゃん!?


えっ?? なんで中学校なんかに??