「本当に性格がいいのな、柚って」



「当然じゃん。

柊と一緒にしないでよぉ」




顔は似ているけど、性格は正反対なんだからね。

あたしは目立つのも嫌だし、みんなと仲良くやりたいよ。




柊はあたしそっくりの顔であたしを見て聞く。




「明日はスタジオ?」



「うん。柊は?」




すると柊は、複雑な顔をして口をきゅっと結ぶ。

どうしたんだろ、柊。




そして、柊の口から出た言葉は、




「山形みどりと映画行ってくる」



「えぇ!?」




あたしを驚かせた。




なんで?

なんでそうなったの?

柊、山形さんのこと嫌いだったよね。






「もしかして……で、デート?」




そう聞くと、




「なはずねーよ」




柊はため息をつく。




「柚として行くんだよ」



「そっか。そうだよね」