学校にはギリギリでついた。
『ふぅ』
一息ついて教室に入る。
少し離れた高校を選んでいたせいか知ってる顔は一人しかいなかった。
『よう!太陽!遅かったな~ 何やってたんだーい?』
こいつは幼なじみの二ノ宮大河。小学校からの付き合いで高校も一緒になった。
『何でもねーよ。』
『そーかい。なあ太陽。このクラスの女子どお思う?』
『まあまあじゃないか?俺にとってはどーでもいいが。』
『だよなー。お前は可愛い妹いるしなー。羨ましいかぎりだよ』
『うっせ!』
大河とはいつもこんなノリだ。
『では皆さん。式がありますので私についてきてくださーい!』
先生だ。
皆無言で動きだした。

式は長くて疲れる。
『入学生代表!高坂梓さん!』
『はい。』
校長の話などで睡魔襲ってきてたがそれは一瞬で消え去っていた。
綺麗な黒髪に細い体。そう、駅で見た少女だった。
『やっぱり一年生だったんだ』
何故か俺は嬉しくなった。
そうして入学生代表言葉終わり、俺たち一年生は教室に戻った。
『おい!太陽!なんだあの入学生代表!めっちゃ美人だったよな!』
『そーだなーってお前は女の子にしか頭がないのかよ。』
『そーだぜー。わるいかよ?』
『いいんだけどさ。お前って不安とかないわけ?』
『あるさー。それはあるけど、今はあの超美人さんに絶賛興奮中だぜ!』
『あっそ。』
俺は呆れていう言葉がなかった。

『はい。これで今日は終わりです。明日もあるので気をつけてきてください。では解散!』
俺はバッグの中に荷物しまってさっさと帰ろうと思った。しかし…
『桜井くん、ちょっと職員室まできてくださーい』
何だろう?と思いながら渋々職員室へ向かった。
『あ、』
職員室にいたのは担任となんと高坂だった。
『どうしたんです?俺なんかしましたか?』
『いやいやー、そうじゃなくてさ。君の家と高坂さんの家近いらしいからさ、今日だけ一緒に帰ってくれないかな?高坂さん、引っ越してきてばっかでわからないと多いんだってさ、』
『はぁ、そういうことでしたら。』
『はい!ありがとー!桜井くん。ほら高坂さんも。』
『よろしくお願いします。』
『ども。どうぞこちらこそ』
軽く会釈し
『じゃあ、行こうぜ。』
『うん。』
女の子とあまり話さないせいか緊張した。