俺の予想通り、放課後になると清水が俺の席へやって来た。
「あんたに教えてあげる義理はないんだけど。」
「おう。どうした?」
「多恵に好きな人ができたみたい。」
一瞬、答えに詰まった。そうか、清水は今日一日、それを俺に言うかどうかを悩んでいたのか。

「そうか。」
「そうかって。あんた。」
「いや、なんとなく予想はしてたからな。誰だ?川村か?」
文化祭の時、2人並んで歩いていた。あいつなら安心だ。

「多分だけど、、神井の方だと思う。」
「多分?」
「聞きそびれた。」
「そうか。」
不思議と心は穏やかだった。そうか、神井か。