「でもあれは違うんです。だから、鈴木先輩じゃないです。」
「だろうね。」
いや、違わない筈だけど。。可哀想な鈴木。

「それで、その人にキスして良い?って訊かれて、私、答えられなかったんです。」
「なんで?」
「いや、なんか、ちょっと、怖くて。それに、しちゃって良いのかよくわからなくて。先輩達は?初めてキスした時、どんな感じだったんですか?」

 この場合の先輩達って、私と鈴木のことよね。どんな感じも何も、あんたの目の前でしたキスが、私の初めてのキスだし。

「どんなって言われても。。そんなの人それぞれなんじゃないの?」
「。。。。。」
「多恵が、したければすればいいし、嫌なら断ればいいじゃない。」
「そう、ですよね。」
「で、誰なのよ。。相手は。」
「えぁ。。それは。。その。。。。か。。くんです。」

そんな小さな声じゃ聞こえないわよっ。ハッキリ言いなさいハッキリ!神井なの?川村なの?どっちなの!ここでサッカー部の河合くんとか言ったら殺すわよ。