とりあえず教室に向かう私たち

ん?

なっなんか周囲にすごく視線を感じる…


「なんか…見られてない?」


隣を歩く翼にささやく


「そうかな?」


首をかしげる仕草が可愛くて同じ女の子なのにドキドキしちゃう。



―…そっか

翼みたいな美少女と健一みたいなイケメンがいたら、そりゃ注目されるよね。


なんだか誇らしいような気後れしちゃって恥ずかしいような…不思議な感覚。


「ほらな〜。さっそく変な野郎共にチェックされてるぞ。」


健一はチャラ男らしき集団に目をむけて呟く。


「なんで?私なんにもしてないもん…。」

「…お前はなぁ……ったく、自覚ないのかよ。」


頭を抱える健一。


「はぁ?意味わかんない。」


そんなやりとりに翼がクスクス笑いだす。


「奈々と健一はいつもそんな感じなの?」

「え〜?そんな感じって?よく分かんないけど、健一はいつも邪魔してきて…」

「邪魔じゃないだろ!変な野郎が寄ってこないように守ってるんだよ!」


「はぁ?頼んでないし!むしろ彼氏できにくくて困ってるし。」


言い争いになりそうな気配。