「ごめん…」 その声が聞こえてないのかなんの反応も見せない奈々。 たまりかねた健一が口を開く。 「どういうこと? 何があったのかわけわかんないんだけど…」 ひとつ大きく息を吐いて翼は決心したように顔をあげた。 「今夜…打ち明けるつもりだった。まさかこんな風に知られるなんて…ごめん。」 その声は今まで聞いていた翼の声ではない。 低い男の人の声。 健一も唖然として動けない。 「私…男なんだ。」