ピンポーン


よく晴れた土曜日

翼は奈々の家の前にいた。


「いらっしゃい。
遠慮しないでゆっくりしてね〜。」


「ありがとう。
お邪魔します。」


少し緊張が伝わってくる翼の動きにつられて奈々も自分の家なのに緊張する。


「今は誰もいないから部屋に行こう。」


そう言って階段をあがる奈々に翼も続く。


奈々の部屋はいかにも女の子という甘い香りのするピンクな部屋。

一番大きな窓はまだ昼間なのにカーテンが閉まっている。


「奈々?カーテンして暗くない?」


「あ〜…いいの。そこ開けると隣から丸見えなんだよね。」


「隣って健一クン?」


「そそ。
それより夕飯なに食べたい?
うちのお母さん張り切ってたよ〜。今買い物行ってるから食べたいのあれば連絡するよ。」


「ん〜…なんでもいいよ。奈々のうちの家庭料理が食べたいな☆」