「うわぁ…」


駅から学校へと続く桜並木をのんびり歩く。

ヒラヒラ舞い落ちる花びらに見とれながら進む。



―ドンっ!!!!



よく前を見てなかったせいか立ち止まっていた人に思いきりぶつかってしまった。



「すっすみません!」


ぶつけた鼻を押さえながら謝って頭をさげた。


「あ…。いえ。私のほうこそ道の真ん中にボーッとしてたし…鼻、大丈夫?」


私の顔を覗き込むように頭を傾げる。


ふわっといい香りがぶつけた鼻をくすぐる。


―うわぁっ!
すごい美少女…


私を覗き込むその瞳はクリクリ真ん丸。
白い透き通った肌は緊張のせいかほんのり赤い。
薄い茶色の髪は寝癖など知らないかのようにサラサラと風に揺れていた。