鐘がなってすぐ保健室のドアが開いた。


「菜々!!」


青い顔で息をきらした健一がやってきた。


「シーッ!菜々が起きちゃう」

「大丈夫。起きてる。」


ベットから起き上がろうとする。


「なんかあったのか?」


整った顔をしかめて健一が言った。


「なんでもないよ。」


また過保護にされたらたまらない。

健一から少し離れたい。

そんな私の気持ちを察したように翼が健一に向かいあう。


「健一クン。菜々疲れてるみたいだし教室に戻ろう。」

「えっ…でも…。」

「いいから。
菜々、先生には言っとくし休んでなよ。放課後またくるね。」


翼はそう言うと戸惑う健一を連れて保健室をあとにした。