涙を流しながらもしっかりした口調で奈々は話はじめる。


「私…中学の時にイジメられてたの…」


原因は斉藤 健一の存在。
家が隣の幼なじみというだけの関係なのに、つまらない嫉妬で女子から無視されてたらしい。


―たぶんその可愛すぎる容姿も妬みの一因だったのだろう…


「無視だけなら平気だったんだけど…」


言葉をつまらす奈々。


「ある一部の女子が…男子に頼んで…」


思い出したのかぐっとこみあげるものを我慢している。


「最後までは…大丈夫だったんだけど…ふっ服とか…破かれて…」


さっきの異常な震えはその時の恐怖を思い出したのだろう。


「もう、男子が恐くてさ…健一はそれからますます過保護になるし、それはまた反感かうし…」

「うん。うん…」

「健一から離れて私も好きな人作って彼氏ほしいんだけどね…やっぱり難しいや。」