―ガラッ


扉が開いたかと思うと目の前まで迫っていた男が消えていた。


「いって…」


頬を押さえて倒れてる。


「奈々…大丈夫?」


代わりに目の前に現れた翼の姿に安心したが、体の震えは止まらず声もでない。


「あんた…なにしてくれたの?」

「ん〜…まだなぁーんにも♪だから殴られちゃってなんかむかついたな〜。」

「こんなに怯えさせて…ただの告白とは思えない。」


力強い翼の視線に一瞬、男は怯む。


「まぁいいや。なんかやる気なくした。ただちょっとからかっただけだよ。」


だるそうに立ち上がり男は私たちから離れる。


「奈々チャンさ…気をつけなよ。」


「どういう意味?」


震えが止まらない私の代わりに翼が聞く。