午後の授業がはじまるチャイムがなった。


奈々はまだ戻らない。


こんな時、同じクラスでよかったと思う。


「奈々はどこに呼び出しされたんだ?」


後ろの席の拓海に聞く。


「さぁ?翼チャンなら知ってるかも。でもその翼チャンもいないね。もうすぐ授業が始まるのに…。」


神木か…

俺が側にいるせいで、中学時代に奈々にはなかなか友達ができなかった。

妬み
ヒガミ
嫉妬

汚れた感情で奈々は傷つけられた。

俺がいることでそれは続くのは分かっていた。
でも離れることはできなかった。



でも…

高校に入学して変わった。
神木 翼と知り合ってからは毎日が楽しそうだ。


友達ができたから…