「また断ったのか?」


話しかけてきたのは、幼いころからの親友の橘 拓海(タチバナ タクミ)だった。


「仕方ないだろ。」


ちょっと不機嫌に返事をする。


「まぁな。相変わらず奈々一筋ってとこか。」


―…バレバレだとは思うけどあらためて言われると、恥ずかしくなってくる。


返事もせずにうつむいてると、拓海がニヤリッと笑いながら言う。


「そういえば、さっき奈々も呼び出しされてたな。」