「婆さんや、桃をきっておくれ。」

「はいはい、わかりましたよ。」


〔いやいやいや、ちょっと待てババァ!
俺死ぬよ!!〕

うん、死ぬよね。


殺されてたまるか、と桃太郎は両手両足をつっぱり桃をわりました。

「あれま、じいさん。
この桃かってに割れましたよ。」

「おお、そうか。
…ん?これは赤子でないか?」

「おーそうじゃそうじゃ。
めんこいのぅ。」

「おい、ババァとジジィ!
俺は桃太郎だ!」

「じいさんや、この子は桃から生まれたから桃太郎という名前はどうかね。」

「おお、それがいいのぉ。」

「おい、それ俺が言っただろ!
きけよ!」

桃太郎君の声は聞こえていないようです。