あたしは、クリスマスに大きな発作を起こした

心臓の手術を受けた

細くなった血管を広げたそうだ


今回は、正直ダメだと思った


だけど、奏汰のそばにいなくちゃ!とか


不安そうにしてた、浩一君の顔を思い出し


頑張った



やっと意識がはっきりしたころ


ガラスの向こうの廊下から


奏汰が

「早く元気になるように、皆で祈って待ってる!誕生日、おめでとう!」

「ありがとう」

「退院したら、お祝いしような!」

「頑張る」



手話で誕生日をお祝いしてくれた


浩一君と陽太もいてくれた


奏汰は、誕生日を教えてくれない


教授に聞いてみようと思ったけど


そこまでしたのかって、怒られそうでしょ


いや、奏汰は、滅多と怒らない


あたしが命を粗末にしようとしたときは


怖いくらい睨んで怒るけど


お祝いしたかったなぁ




奏汰と過ごせる時間があとわずかなのに




最低…





奏汰は、毎日来てくれた



一般病室に移ると、浩一君や陽太も来てくれた



うちの親と鉢合わせたとき


なんて、説明しようかって思ったけど


奏汰って、落ち着いてて優しく喋るから


説得力あるよね



陽太が話題について来れないけど


あたしと浩一君が上手くやってると


親を安心させてくれた


奏汰は、あたしのことよくわかってる


浩一君をふったクセに、まだどこかで


もう一度


なんて、期待もしてること



見破られてるんだと思う