『sunrise』にて



奏汰といる何気ない


このまったり感が好き









あたしは、浩一君の子供を妊娠した


そして、浩一君の婚約者から

ただの同居人になった



お母さんになる夢は、叶わなかった



浩一君の名付けてくれた

浩太は、ずいぶん前に亡くなったらしい

浩一君のお婆ちゃん、梅子さんと



天国へ旅立った




あたしも…




連れて行ってとお願いしたけど


『浩一をよろしくお願いします』


と梅子さんは、頭を下げて消えた




あたしじゃ駄目なんだよ……?


あたしは、多分

あの世に近いところにいる


奏汰に、感謝を伝えておきたかった


だから、四国に戻る前に電話したの


薫のお婆ちゃんがあたしに会いに来た


薫に連絡したら、3日前に亡くなっていた


浩一君と薫を連れて、お婆ちゃんの教えてくれた墓地へ


薫は、あたしの初めての人


あたしは、薫の子供を流産したことがある


色々なことがあった



大晦日の夜



あたしは、病院を抜け出した



終わりにしよう



そう思ったのに、あたしは浩一君に

救われた




どうして、誕生日を思い出したんだろう

忘れたままでいてくれたら



死ねなかった…



辛くて…



あたしは、夜中



奏汰に電話を掛けた


『奏汰……ごめん…寝てたよね……』

『起きてたよ!?久しぶりだね!?』

『うん』

『何度も電話したよ?』

『うん』


奏汰の声を聞いたら、死のうとしたこと

なんて、馬鹿なことしたんだって

涙が出てきた


『いつ帰ってくる?』

『結?』

『早く帰って来て?』


あたしには、味方がいる

ひとりじゃない


『迎えに行こうか?』

『……ふぇっ?』

『何駅に行ったら良い?』

『奏汰…まだ病院なの
明後日、退院だから……』


『うん、明後日、迎えに行く』


『3時くらいに着くように帰るから
東京駅で待っててくれる?』

『わかった!待ってるから!!』






東京に着くと、奏汰がお迎えしてくれて

一緒にsunriseでお茶した



大丈夫



奏汰となら、生きていける