『sunrise』



ここは、あたしの誕生日祝をしてくれた店

奏汰は、ここがお気に入り


ここにくると、作詞がスムーズなんだとか


あたしは、カセットに録音された


奏汰のギターを聴く



また音ズレている



せっかく良い曲なのに、間抜け



もうすぐ出会って1年



奏汰は、チューニングを諦めた


「奏汰、チューニングの機械買いなよ」

「いいよ、結がしてくれるから」



陽太にも頼んだらいいのに


陽太がしようかっていっても


奏汰は、「結がしてくれるからいい」


あたしは、奏汰のギターの専属らしい


「結じゃないと、駄目!!」


仕舞いには、そう言いだしたよね

















バレンタインデーにケーキを焼いた



陽太がコソッと


「青葉先輩もフリーらしいよ」


も……



あたしは、彼氏一応いるんだけど


面倒くさい


「知ってるよ」




陽太は、時々だけど


奏汰を勧めてくる


そりゃあイケメンだし、優しい


ギターの音を合わせきれない


台風みたいに、吹き荒れてるけど


凄く素敵な人だと思うよ


でも、片想いの彼女がいるんだよ



あたしなんか、足下にも及ばない



太陽のような人




らしい





写真ないらしく



想像だけど、奏汰の彼女さんは



きっと笑顔の似合う人