こうやって朝から起きてることも珍しくて、ますます疑問が募って行く。
いつもならあたしが話しかけても微動だにしないし、HRをすっ飛ばして1時間目が始まるまで寝てるのに。
「あ、あたしの顔になんか付いてる?」
穴が開きそうなほどじっと凝視されて、次第にドキドキと鼓動が高鳴る。
佐古君の時とは比にならないほどの大きなドキドキ。
聞こえていないかと不安になったけど、風斗は一切顔色を変えない。
「ねぇ、ホントどうしたの?」
いつまで経っても無言を貫く風斗に不安が募る。
あたし、何か怒らせるようなことをしたのかな?
そもそも、怒っているとは言い切れないけど。
「美央が俺以外の男と話してんのが珍しいなって」
「え……?あ、うん。確かにね」
思いがけない言葉に拍子抜けする。
怒ってるわけじゃなかったんだ?
まだ不機嫌そうだけど、口調とか話し方はいつもの風斗だ。
そっか。
……珍しいって思って見てただけ、ね。
基本人見知りなあたしの男友達は風斗くらいだし、今まで男子に話しかけられてもうまく受け答え出来なかった。
慣れたらガンガン喋るけど、慣れるまでに時間がかかるあたしには女友達も少ない。