洋食のレストランで、店の中は天使の絵が何枚も飾ってあった。
テーブルクロスもひいてあり、雰囲気的に上品なお値段が張りそうだ。
「安心しろ!今日は俺様のおごりだ!じゃんじゃん食べてくれたまえ」
右隣にいる倉田が満面の笑みで、偉そうに言った。
僕は適当にメニューを見てパスタを頼んだ。
それから料理が運ばれてくるまで、倉田と女性群は楽しそうに話していた。
予想外に買い物が長かったので、遅い昼食になった。
時計の針は2時をちょうど差していた。
僕はその後も会話に交わるわけでもなく、パスタが運ばれてくると黙って食べ続けた。
食べ終えて僕は、席から立ち上がり煙草を吸ってくる、と言ってその場から離れた。
どの店も禁煙で、煙草を吸うことを許されていない。
禁煙ブームとでも言えようか。
しかたなく僕は店を出た。
この一服が恋しかったのだ。
ふ〜、と味わう。
煙草の補給は食堂のおばちゃんから。
1週間前に頼んでおかないと、手に入らない。
僕にとっちゃ貴重と言える。
基地に戻る前に、買っておこうとこの時思った。