「フフっ」

そう笑うと彼は怪訝な目で見てくる。

「何笑ってんだよ気持ちわりーな。」

いつもとあまり変わらない普通の家庭の休日。

彼はまったりとコーヒーを飲みながら新聞を読んでいる。

「いや、少し昔のことを思い出してて」

「むかし?」

「うん。秀弥に告白された日のこと。」

「あぁ。あったな、そんなことも。」

「懐かしい。」

「そうか?そうでもないだろう。」

そうやって、脚を組み替える彼を見てまた新たな記憶が蘇ってきた。