こんな豪華な家すてき


だなんて思う人。



豪華な家って、嫌なのよ。


だって、いっつも知らない人たちが

パーティーするのよ?


もう、めんどくさい。










藤咲高等学校の理事長の娘







海外で人気のブランド会社の社長の娘





の間に生まれた藤咲羅羅夢です




お金持ちだけどなーんもできないの



お料理?


そんなの夢の夢よ。


お袋の味は何?


え、全部。


お手伝いさんは?


いない



なぜ?


ママはあたしを普通の家庭みたいに育てたいから




「すっごぉーい!!羅羅夢ちゃん、家綺麗!」


「そぉ?あ、今日の夜流れ星見れるから

屋上来て見よ?」


「うん!」


はぁ、屋上か


高所恐怖症のあたしからしたら危険区域。



でも、智花ちゃんのお願いだから


お友だちのお願いは守らないとね!



「羅羅夢ちゃん、あれ何?」


「あぁ、桜の木だよ」


「桜好きなの?」



「うん」


「何で?」


何で?って、しつこい…


「はじめて恋した人に出会った場所が

桜が咲いてる木なの。」

「へぇ、ロマンチックぅ....」


どこが…?


もー、やだ!



「智花ちゃん!帰ってよ!」


「え?羅羅夢ちゃん…?」


ママがあたしの怒鳴り声に驚いて駆け付けてきた。



「ららちゃん、どーしたの?」

「智花ちゃんがしつこいの!」

「何でぇ?あたしなにも…!」

「帰ってよ!」

「ららちゃん、いい加減にしなさい!!」



怖いかおで怒ったママ


怖いよぉ…


「ママと智花ちゃんなんてだいっきらい!」






そして、家を飛び出して大泣きしながら桜の木に近づいて


抱き締める。


まだまだ小さい手のあたしは


大きい木を抱き締めることはできず


ただ、両手を広げているみたいだった。







懐かしい