初めて訪れた男の人の部屋は、思ってたよりも綺麗だった。

いや、神楽くんだから綺麗にしてるのかも…。
几帳面だもんなぁ、神楽くんって。


あたしの部屋なんて、こんな突然友達呼べないし!!


…見習わなきゃ。



「あ、適当に座ってて。俺、何か飲み物取って来るから。」

「はーい!」

部屋を出た神楽くんに、元気よく返事をした玲はあたしを見て、二ッと笑った。



「何、緊張してんの!」

「だ、だってぇ!」

そりゃあ緊張するよっ!!

好きな人のお家だよ!?


まだ話す事すらままならないのにー!!



「あのさ、」


突然割り込んできた声に視線を向けると

「もしかして、菊井さん…神楽の事、好きなの?」

と、桜井くんがあたしと玲を交互に見ながら尋ねて来た。



きゃあぁああ!!!!

さ、桜井くん居たんだぁ!!!
しかもバレてるしぃ!



全然視界に入ってなかった桜井くんの言葉が
再びあたしをパニックにさせる。

どどど、どうしようっ!!