「辛かっただろうけれど、綾ちゃんは一人で生きていけないから。 今度は窓川さんの所にお世話になるんだよ。 中学生になればほとんど貰い手は無いって言うが、運がよかったな」 施設に逆戻りして数週間。 前に会った時よりも格段に老けていた施設長。 そんな人から新たな里親が言い渡される。 辛かったね、って言ってるが、それは虐待されたことを慰めているわけではない。 里親が死んだことだ。 そのことに対して辛かったね、と言われてもそうは思えない。 何とも思わないのが、今の心情だ。