「あーちゃんの限界って?」


普通のトーンに戻った彼は、私に訊く。



話してもそこまで影響しないと思い、相手と目を合わさず、淡々と喋ることにした。



「私が小学生の時。


義弟と義母さんで遠出したことがあったんだ。


私は滅多に一緒に連れ出してもらえないから、嬉しくて舞い上がってて。


店に着いた時、義母さんに
『好きな所見て行きなさい』って私と義弟に言われたんだ。