「えっと、俺は、3年の野口 竜樹」
「はい、知ってますよ!…あたしは、柏木 結穂です」
先輩は知ってるはずだけど、とりあえずは自己紹介しないとね。
礼儀っていうか?
「え!俺のこと、知っててくれたんだ。ありがと」
先輩は嬉しそうにはにかんだ。
そんな先輩に、見惚れるあたし。
「……いきなりこんな事言うのは君を困らせるだけかもしれないけど、俺、君の事が…好きなんだ」
…ちょっとの沈黙の後に飛び出した、爆弾発言。
彩に言われて、もしかしてっては思ってたけど…。
「俺と、付き合ってくれないかな?」
返事はもちろん、決まってる。
「よ、よろしくお願いします…!」
「良かった!振られるんじゃないかって思ってたから…」
先輩がそんな事言って笑うから、こっちの顔は茹でダコ状態。
「そんな…!あたし、かなり前から先輩の事好きで…あの……すっごく嬉しいです!」
本当の事を言ったら、先輩の顔が少しずつ赤くなっていった。