そこからが大変だった。
彩に関してはクラスも違うし、特に問題はなかった。
でも。
竜樹は委員会で会わなくちゃいけない。
いくら向こうがどう思おうと、あたしだってフった身だ。
ましてや色々あったんだ、気まずいに決まってる。
のりちゃんだって、どんなに学校で避けようと、家に帰れば嫌でも会話しなきゃいけない。
唯一の救いは、もうすぐ卒業式があること。
1ヶ月ほど先にあるその行事は、竜樹と縁を切るチャンスだ。
のりちゃんだって受験勉強で部屋にこもりがちになってるし。
溜まり始めていたストレスが、解消されかけていた、そんな時。
珍しく家にいたお父さんが、口にしたのは。
「なぁ、結穂、紀香。話があるんだけど、いいか?」
「…なに?」
鬱陶しそうに返事をした私たちにとって、想像もしていないような内容だった。
「俺たちなぁ、離婚しようと思うんだ」
「……っ!!」
あまりにも急すぎたと思う。