部屋に戻って、パンク寸前の頭をフル回転させて考える。


彩と竜樹は付き合ってるはずで。


でもあの会話の流れからするとのりちゃんも竜樹と付き合ってて。


15分ほど考えてある程度頭の中は整理できたけど、やっぱり竜樹の行動はわからない。


いくら考えても答えが出なくて、気づけば空は明るかった。


「うわ………最悪。今から寝たって遅いよね…」


時計を見れば、いつも起きる時刻の数分前だった。


疲れているのか、頭が痛くて体は重かった。


─────コンコン


あたしの部屋の扉がノックされ、のりちゃんが入ってくる。


「おはよ、結穂。あー、やっぱ目ぇ腫れてんね。どうする?今日休む?」


…目も、腫れてたのか。


なんとなく違和感はあったけど、そこまで酷いものとは思ってなかった。


とりあえず今のあたしには、休む、という言葉が救いだった。


「おはよ………うん、今日は、休む。ちょっとだるいし」


「そっか、わかった。お母さんには言っとくから」


のりちゃんはそう言って、笑いながら出ていった。


昨日の今日で少し気まずかったけど、やっぱりよそよそしいのもおかしい。


できるだけ、普通を装った。